top of page
金沢の繁華街片町で、茶香をテーマにこだわりの茶漬けと茶酒を提供するお店「香宵香(coyoi)」が2025年2月にオープンに際し、isu高市氏監修のもとアートディレクターとしてビジュアルデザインから空間体験までを設計した。提供する茶漬けの茶湯には金沢最古のお茶屋が厳選する、煎茶・玄米茶・加賀棒茶と3種の茶葉を使用することから、3という数字にスポットを当てたデザインにしている。 店舗名の香宵香(coyoi)は、コンセプトである「今宵の金沢をそそぎ愉しむ」を、「香」と「宵」を掛け合わした当て読みとしてを漢字3文字で表現。またアイコンには、3点リーダー(…)が表現する余韻感/余白感を”茶香のゆらぎ”と重ね、3点リーダーの形をもとに、香りを象形的に表す”茶葉”のシルエットと宵を表す”新月”で構成。 これらのビジュアルを空間体験としてアイコニックに表現するために「宵」と描かれた大型の提灯電球を吊るし、20時の開店と同時に道ゆく人々へのメッセージとしている。さらに、店名とアイコンだけで、お酒を連想させながらも茶香が漂ってくるような印象をお客様にご提供したいと考えた。 店舗正面には金沢のフローリスト山本氏(hibou)に枝葉を用いて“茶香”を可視化したもので、空間としてもその印象を表現している。また外壁に走る大きな2本の既存クラックに対して、金継ぎを施すことで金沢に脈々と根付く美意識とし、クラックが持つネガティブな印象をポジティブなものに変換する目的としてアイコニックに空間表現をしている。 香りという言葉には、”におい”という意味以上に、“柔らかさや繊細さ”、“季節感や自然の動き”、“無形の広がり” といった多くのニュアンスを孕んでいる。表されたものを受取り手によって様々な解釈を楽しみながら、茶漬けと酒で今宵の金沢を楽しんで頂きたい。

2025

クライアント
株式会社isu

トータルコーディネーター
高市克己(isu)

アートディレクター
吉崎努(MiKS)

フローリスト
山本亮(hibou)

サイン
Ki to / 施工 宝来社石川

撮影
lio(@ph_lixu)

bottom of page