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2026

クライアント:小松マテーレ株式会社

アートディレクター(展示計画+制作監修): 吉崎努(MiKS)

設計:林恭正(ArchTank) + Adam Urban(KakaDu)

アルミ什器監修:横尾周

照明・展示調整:Jann Hawker

施工:ArchTank + KacaDu

所在地:イタリア ミラノ Rho Fiera

石川県は、世界屈指の合成繊維技術を誇る「繊維の国」です。その石川県が誇る化学素材メーカー、小松マテーレ。1943年の創業以来、染色・高次加工技術を生かし、世界中のファッションブランドやスポーツブランドとともにハイレベルなモノづくりを行なってきました。 世界最高峰の生地見本市である「イタリア・ミラノウニカ展」への出展に際し、弊社では、展示構成・コミュニケーションツールのデザイン監修・制作を担当しました。ブースの設計・施工は、全国・世界で活躍するArchTank(横浜)を中心に、宇宙空間向けの構造体研究を行うKacaDu(プラハ)という、領域を横断するプロフェッショナルチームによって実現しました。 【コンセプト:日本特有の「見立て」による美意識の伝承】 グローバル展開を加速させる小松マテーレにとって、今伝えるべきは「正しく、美しい日本の美意識」であると考えました。そこで私たちが着目したのは、あるものを別のものになぞらえて新たな価値を見出す、日本独自の文化「見立て(AをBとして扱い創造すること)」です。 創業以来、布を「ファブリック」へ、そして「化学素材」へと進化させてきた同社のあゆみは、まさに素材の可能性を「見立て」によって切り拓いてきた歴史そのものです。この思想を展示空間の随所に散りばめました。 【環境への配慮と、フレキシブルな機能美】 地球環境の保全を経営の最重要課題に掲げる同社の姿勢を反映し、展示サインには「掛け軸」の見立てを採用しました。幕を吊り下げる構造にすることで、展示内容の更新にも柔軟に対応でき、廃棄物の削減と情報の可変性を両立。イタリア・ミラノウニカ展という継続的な挑戦の場において、常に最適な情報を発信できる設計としています。 この展示サインのメディア・情報部分にはテクスチャの豊かな和紙を丸め、無機質になりがちな展示空間へ温かみのある柔らかで立体的なオブジェとして配置。各商品タグには、和紙を「懐紙」のように折るデザインを施しました。紙を「包む」「折る」ことで敬意や“おもてなし”を表現してきた日本の礼法から着想を得て、来場者がタグを開くという「所作」そのものをデザインしています。 【回遊が生む、新たな接点】 行き止まりのない回遊性を備えたブース構成により、来場者は流動的に多種多様な素材に触れ、小松マテーレの深い美意識を体感する。そんな五感に訴える展示空間となりました。 布という概念を超越していく飽くなき探究心は、これからも驚きと感動があふれる新素材を想像し続け、私たち社会にとってより良い明日につながっていくことでしょう。
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