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2025
クライアント
シューペルブリアン株式会社(ArchTank)
設計
林恭正+熊谷和(ArchTank)
フォトグラファー
吉崎努
広島県安芸津に位置する「日の丸写真館」は、建築設計事務所ArchTank(林恭正+熊谷和)によって設計された写真スタジオです。この建築は、「展望」と「写真」、そして「町の風景」との新たな関係性を設計する試みとして構想されました。川沿いの細長い敷地に配置された4つのヴォリュームは、それぞれが独立しながら、互いに響きあうように配置されています。その半分はスタジオと事務機能、もう半分は町に開かれた店舗として機能し、建築全体がまるで写真のセットのように構成されています。通りに面したガラス越しの空間は、町に開かれたインフラとしての顔を持ち、奥へと向かうほどに、静かに安芸津の風景へと接続していきます。この建築は、「町を写す」ことと、「町に写る」ことを、同時に成立させる試みとして設計されています。
今回の撮影コンセプトは、写真館を「撮影する」という特別な縁をテーマに掲げました。建築そのものが写真を撮るための装置であると同時に、風景を切り取るインフラとして存在する特性を引き出すことを目指しました。
撮影時には、白を基調としたホワイトボックスの空間をいかにニュートラルに切り取るかをルールとし、写真家自身への挑戦としました。異なるテクスチャを持つ白い壁が多面的かつ散在的に配置され、光の反射が美しく映える瞬間を待ちながらファインダーを覗きました。光と影が生み出す質感の変化を捉えることで、建築が持つ「町を写し、町に写る」役割を視覚的に表現しています。
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